意識と無意識と運動の関係

「意識して練習しなさい」や「意識、意識が無意識になる」という言葉を聞いたことがあると思いますが、この「意識」「無意識」とは何を指すのでしょうか。

顕在意識と潜在意識

脳には2つの意識が存在します。意識と無意識です。

意識とは、自分で考えて行動することが出来る意識のことで、「顕在意識」といいます。
良し悪しを判断したり、不安になったり、悩んだりすることも子の顕在意識になります。

無意識とは、過去の経験や知識が蓄積された意識のことで「潜在意識」といいます。

意識(顕在意識の中で)して練習してきたことが、経験や知識となって無意識(潜在意識)の中へ蓄積されていきます。

そのため、いい加減に練習をすると、いい加減に練習した経験や知識が潜在意識の中に蓄積されてしまいます。また、「顕在意識」と「潜在意識」では、「顕在意識」のほうが優位に働いてしまうので、練習をするときは、意識して練習をした方がよいと考えられます。

顕在意識と潜在意識と脳の関係

運動とは、五感で得た情報を大脳でインプットして、小脳というコントローラーを通じてアウトプットすることをいいます。

大脳は、五感で受けた情報に対して顕在意識(意識)で対応します。この時、顕在意識(意識)の領域は95%を占めます。残りの5%というのは、不安や緊張、我慢、恐怖、ストレスなどの感覚であり、これに本人が気付いていない場合もあります。そのため、100%の意識としては、インプットできないものとなります。

この95%の顕在意識(意識)が小脳に送られるとたった5%の情報しか受け取れなくなります。そのため、小脳がアウトプットする時には、5%の顕在意識(意識)と95%の潜在意識(無意識)で情報が構成され、実際の運動がおこなわれていくのです。

つまり、大脳が95%の顕在意識(意識)で指令を出しても、小脳はたった5%しか受け取ってくれず、実際の運動には、過去に経験したことや知識などを基に力を発揮しているということになります。そのため、過去に経験した事、体験した事、知識として得た事がなければ、身体は思うように動けないということになります。

潜在意識(無意識)詰まっている「小脳」に不安や緊張、我慢、恐怖、ストレスなどの外的要因が入ってしまうと、正しく理解していた情報が、まるで洗濯機の中身がグルグル回っているように、「小脳」中でパニックを起こしてしまいます。すると、「小脳」から正しい情報を引き出せなくなってしまいます。そして、このパニックから「イップス」や「心の病」を発症してしまうのです。